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動脈硬化病気について知ろう
動脈硬化の治療法

動脈硬化は年齢を重ねるごとに進行していきます。この進行を遅らせることが予防であり、治療でもあります。そして大切なのは、動脈硬化を進行させる要因、危険因子を排除していくことです。危険因子の数が多ければ多いほど、また期間が長いほど、脳卒中や心筋梗塞などの合併症を起こす危険性が高くなります。
まず生活習慣を改善することによって、危険因子をひとつずつ減らしていくことが重要です。では、何をどのようにして減らすのかを以下に説明していきましょう。

食事療法

もし肥満体の人であれば1日のカロリー摂取量に注意して、食べ過ぎないようにすることが大切です。肥満は動脈硬化の危険因子であると同時に、高血圧症や高脂血症、糖尿病の危険因子でもありますから注意が必要です。逆にいえば標準体重に戻すことができたなら、それらの病気を解消できる場合も少なくありません。
腎機能が低下していない限り、タンパク質をとりましょう。大豆などの植物性タンパク質に含まれるアルギニンや、白身の魚に含まれるタウリンという物質は、動脈硬化を予防する効果があるといわれています。
動物性脂肪を含む食品を多く食べるとLDLコレステロールが増えます。これは粥状動脈硬化症に大きく関っていますので、卵やレバー、生クリームやバターを食べ過ぎないようにしましょう。
肉の脂身やバター、生クリームには動脈硬化を促進する飽和脂肪酸が多く含まれているので、逆に不飽和脂肪酸を多く含む植物油や、魚の脂肪を比較的多くとるようにしましょう。しかし、不飽和脂肪酸のとり過ぎも逆によくないので、注意が必要です。
ニシンやイワシ、サバなどに含まれる多価不飽和脂肪酸は、中性脂肪やコレステロールを低下させる働きがあるうえ、血小板の働きを抑えて、血液が固まりにくくすることもわかっています。
食物繊維は小腸でのLDLコレステロールの吸収を阻害し、排出する働きがあります。ミカンを薄皮ごと食べたり、ゴボウなどセルロースの多い野菜類、またペクチンやリグニンなどを含む海藻類、さらにはキノコ類などを十分にとるようにしましょう。
糖分のとり過ぎもよくありません。1日30g以上をとると中性脂肪が高くなり、動脈硬化を予防するHDLコレステロールが低下してしまいます。また果物は身体にいいとされていますが、意外に果糖が多いので注意が必要です。
塩分のとり過ぎは血圧を上昇させて細動脈硬化を招くほか、脳出血や胃ガン、腎臓病などを起こしやすくします。麺類のスープや、漬け物を残すようにするなど心がけ、塩分の摂取量を控えるようにしましょう。
適量の飲酒はHDLコレステロールを増やし、動脈硬化の予防にもなりますが、高血圧症や細動脈硬化の人が深酒を続けると脳卒中を起こしやすくなりますから、飲み過ぎに注意しましょう。日本酒なら1日1合、ビールなら1本、ウィスキーならダブル1杯程度を、タンパク質を中心としたつまみを食べながら飲むことをおすすめします。

運動

適度な運動は血管を新生する刺激にもなり、HDLコレステロールを増加させ、動脈硬化そのものの予防はもちろん、動脈硬化の危険な要因である高血圧、糖尿病、高脂血症などの病気の予防にもなります。
食前の運動は食欲を増進し肥満の原因にもなるので、食後20分〜1時間後に、1分間に80〜100mのペースで30分ほどのウォーキングなどがいいでしょう。
しかし、寒い日の早朝などは血圧を上昇させますので、狭心症や心筋梗塞、脳卒中の危険があるほど動脈硬化が進行している人は、医師の指示に従って運動をしましょう。

薬物療法

食事療法や、運動で危険因子を避けても動脈硬化の進行を抑えられないときは、薬物療法もいっしょに行います。逆に動脈硬化を根本から治療する薬ではありませんから、薬を利用しても危険因子を避ける生活を適切に守らなければ治療の効果はあがりません。
  • 降圧剤
    粥状動脈硬化や、細動脈硬化の危険因子である高血圧を治療する薬です。降圧剤を使用している時は、血圧が下がったからといって止めてはいけません。医師の指示に従いましょう。
  • 脂質代謝改善剤
    高脂血症を改善する目的の薬で、正しい食事療法を行っているのに中性脂肪の値が下がらない場合に使用します。
  • 血管拡張薬
    脈硬化を起こしている動脈の内腔を広げて、組織への血液の流れをよくすることを目的とした薬です。動脈硬化により循環器系の病気のある人には必要な薬です。
  • 抗凝固剤・抗血小板剤
    動脈硬化を起こしている人の血液は固まりやすく、血栓ができやすい状態になっています。このような血液の状態を改善させるのが抗凝固剤です。また、血小板が粘着したり、凝集したりするのを予防するのが抗血小板剤です。
  • 組織代謝賦活剤
    動脈硬化のために著しく血流が減少した末梢組織には、慢性的な栄養不足が見られます。このような末梢組織に活力を与え、組織の代謝を促進するのがこの薬です。

そのほかの治療

  • 喫煙は、動脈硬化の危険な要因のひとつであるうえに、狭心症や、心筋梗塞を起こす危険性を高くします。また、肺ガン、咽頭ガン、食道ガン、胃ガンにも深く関係しています。まさに『百害あって一利なし』。喫煙をしている方はやめることをおすすめします。
  • ストレスは動脈硬化の危険因子ですが、ストレスそのものが問題というよりも、ストレスに対する身体の反応が動脈硬化を促進していると考えられています。現代ではストレスを完全に避けることは、ほぼ不可能に近いと思われますが、まず無用なストレスを作らないことです。間違った医学知識を信じてビクビクしたり、怒りっぽく、ほかの人との協調性を欠く行動をしていると、ストレスは増えていきます。ゆったりとした気分で毎日を過ごしたり、運動や趣味などで解消することを心がけましょう。

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