プロポリスとは、蜜バチがユーカリやポプラなどの樹木から集めた植物成分に、蜜バチの分泌物が合わさって作られたものである。
プロポリスは強い殺菌作用および抗酸化作用をもっており、蜜バチはプロポリスを巣の壁の隙間に塗ることで、腐敗や微生物の害から巣の内部を守っている。ギリシア語でプロポリスの「プロ」は「守る(防御)」、ポリスは「都市(巣のこと)」という意味である。
プロポリスは、東欧やブラジルでは古くから切傷や感染症に対して用いられてきた。プロポリスは「天然の抗生物質」と呼ばれることもあるように、抗菌作用や抗ウイルス作用、抗真菌作用が知られている。また、抗がん作用や肝臓保護作用、抗炎症作用などの働きが認められている。
有効成分は、フラボノイド系ファイトケミカルである。ケルセチン、ピノセンブリン、ピノバンクシン、ガランギンなどが存在する。テルペン類も見出されている。これらの成分か、抗酸化作用や抗炎症作用、抗菌作用など多彩な効果を示す。
プロポリスの効果に関しては、日本でも数多くの基礎研究が行われており、抗腫瘍作用、肝臓保護作用、胃粘膜保護作用、放射線防御作用、抗菌・抗ウイルス作用などが報告されてきた。
なお、プロポリスは、原産地によって由来する植物成分が異なる。日本や中国、オーストラリア、ヨーロッパ各地で採取されたものもあるが、一般に、ブラジル産のプロポリスが優れているとされる。この違いは、蜜バチが集めてくる樹脂が、地域によって異なるためである。
抗菌作用については臨床試験による報告がある。抗がん作用に関しては症例報告が多い。なお、基礎研究では、抗酸化作用や抗炎症作用、肝臓保護作用、抗菌作用や抗真菌作用など、多くのデータによって有効性が認められている。
生活習慣病の予防に関しては、他のサプリメントとの併用による効果も示されている。たとえば、花粉症に対してレモンパームとの併用、糖尿病に対して桑の葉エキスとの併用などである。 |