マイタケは、サルノコシカケ科に属するキノコです。ですから、昔からがんに効くキノコとしては知られていました。しかし、アガリクスやメシマコブと同じように、なかなか手に入らない“幻のキノコ”だったのです。
このマイタケの人工栽培が可能になって、まだ20年ほどではないでしょうか。ここ数年で、スーパーに並ぶほどに広く普及してきました。 サプリメントとして広がるためには、それだけの原料が必要です。
この栽培に取り組まれた方は大変なご苦労を重ねたと思いますが、人工栽培の技術ができたことで、いまのサプリメント隆盛の峙代を迎えることができ、さらにがんという難攻不落の大変な病気も、それを克服する明かりが見えてきました。
マイタケですが、キノコの特徴である免疫を強化する作用も大いに期待できます。
マイタケ研究の第一人者である神戸薬科大学の難波宏彰教授は、日本薬学会をはじめ、アカデミックな場で何度もマイタケの効果を発表しています。
たとえば、1987年の「第12回国際食用キノコ会議」では、「マイタケの粉末を混ぜたエサを、乳がんを移植したマウスに与えると、抑制率は86パーセントあり、10匹の実験マウスのうち、4匹にがんの退縮が見られた」。
1988年の日本薬学会では「マイタケの粉末を熱水で処理したところ、抽出液中に糖とたんぱく質が結合した糖たんぱく質が見つかった。これを、ザルコーマ180がん細胞を柚え付けたマウスに1日0.05ミリグラムを10日間注射。30日後に、固定化したがんを取り出し、重さを調べたところ、80〜87パーセントのがん抑制率か得られた」という報告がなされています。マイタケの人工栽培がやっと軌逆に乗ったころの研究です。
以来、免疫力という視点で、マイタケの効果は語られてきました。
ところが、近年、研究の結果、マイタケのアポトーシス誘導効果が、明らかになってきました。1999年、アメリカのニューヨーク医科大学泌尿器科の田崎寛教授のグループが、D‐フラクションの効果についての研究発表を行いました。それは、「人間の前立腺がん細胞にD‐フラクションを投与したところ、はっきりしとしたがん細胞のアポトーシスが誘発された]というものでした。
アポトーシスを誘導する成分については、研究が進められている途上です。β1−3グルカンだという説があるかと思うと、β1‐6グルカンだと主張する研究者もいるようです。まだまだ結論は出ていませんが、現象が確認されているのは問違いないことなので、マイタケにはアポトーシス誘導作用があるといってしまってもいいと思います。
キノコ類というと、免疫力の強化作用が1番に頭に浮かびますか、マイタケのように免疫賦活作用に加えてアポトーシス誘導作用のあるものもあります。個々のキノコについてさらなる研究が進められることを期待します。というのも、アガリクスを飲んでいる人がいて、もう一つ、キノコ系のサプリメントを選ぶとき、同じ免疫力を高める作用のあるメシマコブよりもアポトーシス誘導作用のある
マイタケを選ぶ方が効率的だからです。
まだマイタケはそれほどメジャーではありませんが、免疫力のアップとアポトーシス誘導の作用があるということを知れば、もっとうまく使えるかもしれません。意外に使いやすいサプリメントして、一段と注目されるようになるのではないでしょうか。 |