キノコの抗がん性は、そこに含まれている多糖体によるとされています。β‐グルカン
という多粘体はすっかり有名になってしまいました。
それなら、海藻に含まれる多糖体はどうだろうということで研究が始まって、そこで見
つかった、非常に抗がん作用の強い物質がフコイダンです。
1996年10月の日木がん学会では、「コンブ由来のフコイダンの効果」についての発表があり、大きな反響を呼びました。確かにコンブは身近な海藻であり、手に入れるのも簡単です。しかし、現在以上の新たな需要をまかなうには限度もあります。さらに、コンブのフコイダンはとてもすぐれたものですが、コンブには水溶性のヌルヌル成分がたくさん含まれていて、フコイダンだけを分離するのはとても手間のかかることです。北海道産のコンブが非常に高価であることも、コンブのフコイダンが広まることの足かせとなっていました。
アガリクスもメシマコブも、人工栽培ができないときは。“幻のキノコ”といわれていました。がんに対する高い効果はわかっていても、それを手に入れられないのですから、そのときがんで苦しんでいる人にとってはあまり意味がありませんでした。いくらいい物質でも、それが容易に手に入らなければ、サプリメントとしては用をなしません。
そこで注目されたのが、沖縄モズクです。九州南端から台湾北東部にかけて分布するモズクの一種です。沖縄では、この沖縄モズクが養殖されています。1991年には、国内需要の98パーセントを占めました。しかし、その後、在庫過剰となり、生産量は
減ったようですが、フコイダンの材料として必要になれば、いくらでも生産することができる体制は整っているのです。
沖縄モズクは、そこに含まれる多糖体の90パーセントがフコイダンです。コンブと比べて、5倍の含有量があるのですから、フコイダンを抽出する原料として、これほどすぐれているものはありません。
そのうえ、分離・精製も非常に簡単にできるということで、フコイダンの普及に沖縄モズクはなくてはならないものとなりました。 |